まず紹介したいのは【ギギギ】


玉井司さん。


玉井つかささんだったり、玉井詞さんだったり。


私の絵本歴史の中で最も好きな絵本です。


授業で機織り(ギッタンバッタン、笑)を教わってた先生が共同で絵本展やるからって友達と見に行ったのがきっかけ。


そこで玉井司さんに出会った。


一目惚れ。


いや、本人にじゃないよ。


玉井さんが描くイラストに。


基本的にはモノトーンです。


白黒ね。


派手な色使いでもないし、物語も凝ってるとかでもない。


だけど、絶対的な説得力がある。


絵にも僅か書かれた文章にも。


他にも作品はあるのだけど、私はこの【ギギギ】にやられた。


簡単に言うと、二つの島があってそれぞれの種族が海でクジラを捕まえて暮らしていた。


けれど、どんどん捕まえるからとうとう残り一頭になってしまった。


それでーーー




ギギギ




これ、睨み合いの音ね。


この三文字で敵対する種族の様子を表しちゃうんだもん。


ねっ。


それで、二つの種族が争いを始めたの。


そりゃまぁ、必死だわね。生活掛かってるし。


もうどちらもボロボロ。


でね、見かねた雲の人。


神様的な位置付けになるのかな。


このイラストがまたゆるい。ゆるくて好き。


一時期、雲の人に本気でなりたいって思ってた。


話し戻します。


その雲の人がそれぞれの島に野菜の種を撒いたのね。


争いを止め、畑を一生懸命耕した二つの種族はその後、豊かに争うことなく暮らしたとさ。


と言う内容。


もうね、玉井さんの描くイラストに心、全部持ってかれた。


ギギギはその時、既に店頭には無くて何故か絶版だった。海外で受賞もしているのにね。


でもどうしても、ど、う、し、て、も欲しくて。


版元に直電して、どうしても欲しいんですって事を延々と話したんです。


本屋はもちろん、古本屋も古書市とか何軒も回ったとか。


なんとかなりませんか?って。


そしたらね、担当の方が


「資料用として置いてるものですが、大切にしていただけるなら…」


って。


だから今でも大切にしてる。


この絵本ばかりは子供だけでは触らせない(笑)


美術館や個展、建物などを昔から見て回るのが好きなんだけど気に入ったものについて日記的に書き記してるものがあって。


まぁ、若い時に書いたものだけど。


さっき、このギギギについて書いてたものを確認するとラスト一行にーーー




「気に入ったものは努力して手に入れるべき、以上」



と、若かりし頃の私が言ってた。



熱いね。


すっかり大人になった私は


「うん、分かった。」


ってだけ、返事をしておいた。