「こっち向いてよ」
「嫌だ」
「何で??」
「写メしようとしてるだろ??」
「うん」
だって、翔の写真が１枚もないんだもん。
彼女だったら欲しいって思うでしょ??
「ねぇ、何で撮らしてくれないの??」
「……それ、聞いてどうすんの??」
スマホを見続けて、私の方を見てくれない。
私、ここに居るよ??
そこに私は居ないよ??
ねぇ、翔。
こっち、向いてよ。
「……もう、いい。翔のバカ」
私はそっぽを向いて俯くと
「華……意地悪してごめん」
後ろから翔に抱きしめられた。
ど、どうしたの!?
「1人で撮る写真なんて意味ねぇじゃん、だから嫌いなんだよ」
「……だったら私と一緒になら、撮ってくれる??」
「華と一緒なら撮るよ」
「うん!!」
記念すべき1枚は私と翔の笑顔のツーショットでした。
