『さっちゃん、さっちゃん』


可愛らしい声が、私を呼ぶ。


『なぁに?』

大きな口を開け、目をパチクリしながら彼の方を見る。



ここはきっと幼稚園。


指定の青い服を着て、黄色い帽子を被らず、首にかけている状態。


彼とは、スコップを手に持ち、砂場でお山づくりをしていた。



『ボクの隣はさっちゃんだけ! だから、ずーっとボクの隣にいてねっ!』


そんな笑顔で言うから、私はただただ嬉しくなって『うんっ!』と笑顔と一緒に返した。