家に着くと、バンっ! と大きな音を立てて奏が入ってきた。



「今日は、ほんっっっとに、ごめんっ!!」


パチンっと目の前で手を合わせ、頭を下げる奏。



「いやいや、そんなに謝らないでよ」


まさか、こんなに一生懸命に謝ってくるとは思ってなかった。



それでも謝ってくるもんだから、

「あ、じゃあっ…。明日は一緒にかえ……」


「ごめんっ!!」


“帰れる?”と聞こうとした声もかき消して、謝る奏。



「…いや、だから謝らなくて…」


「そうじゃなくて…っ」

「…?」



様子をうかがうと、奏は少し困ったような顔をして言った。



「実はさ、

当分、一緒に帰れなくなった」