「姫☆組 2nd」の写真集が驚異的な勢いで売れ、再版に再版を繰り返していることなど、全く気にも止めていない姫花は、AQUAのカウンターに座っていた

「ねぇ、ここじゃなくて、下で飲んだら?」

先ほどから姫花に気づいた店内の客の視線を気にして姫花に耳打ちするジェイソン

「いいの 今夜はこっちで飲みたい気分」

と姫花の視線はどこか遠くを見ている

「でも、今夜はめずらしく下に大吾と咲が来てるよ? 一緒に飲んだら?」

「う~ん・・ 惹かれるけど、やっぱりいい ひとりじゃないし?」

「え? 潤が来るの?」

「潤? 潤は賢次と撮影で、今頃ネバタの砂漠をバイクで走ってんじゃないの?」

「え? じゃあ誰が来るの?」

「日向・・・」

「え?」 

ジェイソンは一瞬耳を疑った

「今日は、日向との約束の日だから・・ きっと彼もここに来てる」

「そっか・・・」

そして、ジェイソンは、そっと姫花の隣の席にコースターを敷き、ビールを置いた

「良く覚えてるね・・」

「コレが仕事ですから・・・」

とジェイソンは笑った

そう、日向がいつも一番最初にオーダーしていたのがビールだったから・・

「あと・・・」

「「ミックスナッツ」」

と姫花とジェイソンの声が重なった

「好きだったよね・・・」

「ねぇ・・もしかして、いまでも?」

「好きよ?」

姫花の迷いのない言葉に戸惑うジェイソン

「え? じゃ・・じゃあ」

と言いかけたジェイソンの言葉をさえぎって、姫花が続けた