「・・来てくれたら、嬉しい」


と智也は答えた。


哀しみを帯びた声。


「私、智也には感謝してる。


 今度は私が慰める」


と私は柄にもない言葉を言った。


「みっともない恰好で飲んでるよ。


 きっとガッカリさせるだろう」


と智也は言った。


「それは私のセリフよ。私をみたらきっとガッカリする」


ゴクンとまた液体を流し込む音が聞こえた。


「じゃあ二人でガッカリしよう」


と智也はから笑いをしながら言った。


「どこへ行けばいいの?」


と私は聞いた。


「駅の西口の○○に立ってる」


と智也は答えた。


「わかった。急いで支度して行くから。待っててね」


と私は励ますように言った。


「悪いな、ありがとう」


と言って電話は切れた。



私は急いで化粧をして服を着替えた。


あれこれ悩んでる余裕などなかった。


こっそり家を抜け出して駅へ向かった。