昨日泣いたからか目が赤くなっていた。こんな状態で学校行きたくないなあ。


「おはよう親奈」


「おはよう。見てこの目、泣いたから赤くなってるでしょ。蛇打に見つかったら嫌だな」


「赤くなってるね。でも兄貴という警備員がいるし大丈夫だって」

貴島がいないところでそんな会話をする。でも、貴島に頼ってばかりもいられない。貴島がいないときも、解決できるようになりたい。
そういえば、瑠歌が奇抜な格好をしていない。


「瑠歌、今日いつもと違うね」


「うん、いつも他の人とは違うことしてるから、逆に普通にしてたほうが珍しいと思って」


明日も明後日もその状態が続くといいな。ずっと怒ってたら先生も疲れるだろうし……。


学校に近づいてきたので、人の目を気にしつつ歩く。泣いたことをからかわれたくない。


無事教室に着くと安心した。目が赤くなっていることには気づかれていない。


「早霜さん、おはよう」


「おはよう」


挨拶のあと、会話がない。何を話せばいいのか分からない。
ああ、なんかモヤモヤする。