部屋の中の煙が徐々に薄れていき、中央の壁が床に吸い込まれるようにして消えた。


瞬間、宮田君が雄たけびを上げながら山田君に掴みかかった。


その目は焦点が合っておらず、山田君の事がしっかり見えているかどうかも怪しかった。


山田君は抵抗しようともがいているが、宮田君にねじ伏せられてしまった。


横倒しになった山田君に馬乗りになり、その顔を殴りはじめる。


その光景に体育館内に悲鳴が聞こえ始めた。


大半の生徒たちは部屋の中の2人から視線をそらせている。


だけどあたしはしっかりと2人の様子を目に焼き付けておくつもりだった。


どちらかが死ぬまで戦いは続く。


その勇士を決して忘れないように……。