やはり課長の力は強くてこのまま駄目かと思ったが私は信じた。



その時スッと明かりが入ってきたような気がした。


エレベーターが開いたのだ。



「大丈夫ですか!?貴方何してるんですか?」


一人の声がそう言った。

「なんだ!これは小便か?早くその男を止めろ!!」


もう一人の男の声が聞こえると共に私は床に倒れた。


強烈な小便の臭いで意識を失わずに済んだ。


「馬鹿野郎!!僕は会社のアイドルスターだぞ!!ちくしょう!!高山め嵌めやがって。

女には優しいんだな。

頼むから握手会だけは行かせてくれよ!!

元芸能人だぜ!!」


結果的に作者を信じた私が何とか生き残れた。


首を絞められながらも高山の名前を呼び続けた。



私は、小便臭い床に座り込むと中指を立ててこんな苦しくてロマンスも何も無い作品を書いた高山に向かってファックユーと言ったが、高山は喜んでるような気がして悔しかった。


しかし、そういう中年だと私達登場人物は知っていると思うと少し笑えた。








おわり