「由佳ー、此処に新しく入る子達見た?」


朝、始業10分前オフィスに入ると同期の舞が私を見つけて小走りで寄ってきた。


少し興奮してるのか、頬が紅い気がする。



「まだ見てないよ、今日チーク塗りすぎじゃない?」



「違うよ、新しく入ってくる男の子の方が私のタイプだったのよー。凄く可愛くてね。」



婚約者がいる癖に・・・という表情に知らぬ間になっていたのか、私の肩を「違う違う」と言いながら、強めに叩いてくる舞。




「由佳も見てみなよー、良さげだよ。もうすぐ紹介されると思うけどね。」



捨てゼリフの様に言うと、バイバイと呟いて言って自分のデスクに戻っていく舞。



何人も辞めていった中、ただひとりの同期の舞