降りしきる雨がだんだん弱くなってきた。



地面に向かって落ちていく雨の音が変わっていく。



厚い雲に覆われていた空は少しずつ明るくなってきて太陽が出てきた。



自分の顔についてるのは雨粒なのかそれさえも分からない。



制服も水に濡らした雑巾のようにたくさん絞れそう。



「えっ、ちょっと4番さん?」



どこからか素っ頓狂な声を上げた椎原くんの声が聞こえた。



後ろを振り向くと彼が傘を差しながら急いで坂を上って走ってくる。



「なんで……」



またこの人に泣いてるところを見られてしまった……。



わたしはすぐにコンクリートに置いていたかばんの持ち手を掴んでその場を去ろうとした。