ここはアルカティア帝国。




かつては透き通るような水が通う海や




風が吹く度に木がそよそよと




心地よい音色を響かせ




生命に満ちていた。




しかし約70年前に起こった魔道士の戦争により




食料は剥奪





家は全壊し活気溢れた街は姿を消した。





その変わり果てた地に




一人の少女が足を踏み入れたーー。




「なに……これ……」



彼女の名前は藤堂 紗良。




彼女の生まれ育った街もまた




政府による魔道士により




街を破壊され 魔力を持たずした民は




皆犠牲になったのだ。




そんな光景に目を背けた彼女は




ただひたすらに脚を走らせ




ここアルカティア帝国の地に辿りついたのであったーー。