「シゲ〜っ!お腹すいたー。」



「シゲ髪切ったの?超ぉ〜似合ってる!」



「ねぇ、シゲ〜。忘れ物したー。」



「シゲ!私のドーナッツ勝手に食べたでしょ!!」



俺の頭の中で流れる
世界でたった一人の
かげかえのない人の温かい声。



小さいくせに強がりで
ワガママばっか言ってた。



そのくせ
本当は誰よりも傷つきやすくて
泣き虫なところもあるけど
そんなところも全部含めて
愛おしいし
俺が守ってやりたい。



だけど
そんな気持ちに今更気づいた俺には
後悔しか残ってなくて…

もちろん
俺の隣に彼女はいない。



月のキレイな夜に
ふと、夜空を見上げ
俺は彼女との過去を
思い出していた…。