「げ!晴友!」


「…やぁおつかれさま、晴友くん」


「じゃねぇだろ、ったく。…おまえら、勝手に店の材料使ってそいつに餌付けしてんじゃねぇよ」


「これはおごりってことで給料から差っ引いてもらうからいいんだよー」




拓弥くんがべっと舌を出して言い返すと、榊くんは顔を引きつらせた。




「ほぉ…。じゃあ勤務サボった分も上乗せして給料から差っ引いてもらうようオーナーに言っておくか?」


「ええええ!」


「そ、それはやめてほしいな、晴友くん…」




さすがの二人も蒼白となる。

オーナーとは祥子さんのことだ。

祥子さん…わたしたち女の子にはやさしいけど、男の子たちには怖いもんねぇ…。




「だっておまえが悪いんだぞ、晴友」


「ああ?」


「おまえが日菜ちゃんにキツく当たって落ち込ませるから、なぐさめてたんだぞ!」


「晴友くん、女の子の扱いはもっとやさしくしないといけないよ」




榊くんは、ちっと舌打ちした。