「お前、どうやってここから出るつもりなんだよ?」


「………っ!!」



ああああ、人が悩んでいた事の核心を!!


触れないようにしてたのに。忘れようとしてたのにぃっっ。



「お前はまだ労働が決定してないんだろ?だったらまだ、脱獄が簡単なはずだ」


「だ、脱獄って…」


「それに、魔王だって明かせばすぐに出してもらえる」



なんだこの穏やかじゃない会話は。


しかも、魔王だと、魔族に正体を明かすことは、ランスさんに場所を教えるようなものだ。


そんなことできるわけがない。


しかも魔王が勇者と親しく会話(?)してたなんてバレたら、2人ともどうなるかわからない。



…という旨を説明すると、レンは苦い顔になった。



「“智の王”か…。あいつが最近本当に不可解だ。


休戦協定を結んだり、破棄したり…。


何がやりたいのかさっぱりだよ」