私は友達と一緒に海に行ったり、買い物したり
好きな人と夏祭りに行ったり……。

それが私が憧れる夏だった。今もそう。ずっと。


今田夏扇…それが私の名前。 4歳の頃から高校2年生の今まで入院生活をしていた。
多少は外で生活していた…らしいけどあまり覚えていない。
私のかかっている病気は手術してもまた発病する…そんな厄介な病気で治らないらしい。
そして、今のこの身体はかなり弱っていていつ死んでもおかしくない…と言われた。
いつ…っていつなんだろう。
こんなに元気なのに…身体は弱ってるなんて。

「夏扇。お医者さんがお話がある…って。」
「うん。…分かった。」
内容はなんとなくわかっている。そんなことを考えながらベッドからおりた。


「えー。大変言いにくいことなんですが…。大切なことなのでよく聞いてください。」
「…は、はい。」

「今田さんはあと余命2ヶ月…となります。」

えっ……?余命2ヶ月…?
なんとなく分かってはいたがまさかココまで早いなんて…。
「もう…2ヶ月しか…生きれないんですか…?」
「……はい。」
さっき言っていたことをまた質問して、あたりまえの答えが帰ってきた。
「…な、なんとか…なんとかならないですか!!!?」
黙っていた母が涙を堪えながら医者に問う。

「…もう、私達がすることは…残念ながら…。」
「そんな…!」

私はそんな会話をただボーッと耳から耳へと流していた。