初恋の、苦味……。


糖度の低い苦みが口の中にまだ残ってるような気さえする。


全てがぐちゃぐちゃであたしはその日から自分から逃げ出した。



塞ぎ込んだあたしを心配して莉子は何度も家に来てくれた。



数えるほどしか学校には行けなくて、玲央のことはとても見れなくて、クラスメイトに笑われるだけの自分が苦しくて逃げ出した。



地元から離れた高校に行こうと決めたのはその時だったと思う。



誰もあたしを知らないところで平穏に学校に通いかったから。