ケータイ小説 野いちご

仁意那隊長は檻から抜け出る

始まり
ここは学校じゃありません

その後、自分たちの役割を決めた。校長室はあいつの部屋になり、地味な方と思われている女子が掃除をすることになった。男子は主に力仕事。そして、あいつに気に入られた女子はずっと側にいることを命令された。他の先生はいつの間にかいなくなった。そして、全校生徒がこの状態になっているらしい。

私たちは義務教育が終了する、三年生になるまで出られない。

「部屋の掃除が終わりました……」

私は覇気の無い、か細い声で言った。本当は部屋の掃除してやったぜ感謝しろと言ってやりたかったが、あいつは連帯責任とかが好きそうだからやめておく。

「隅々まで掃除しただろうな?後で確認する」

あいつは私を見下して言った。ふざけんな。そう悪態をついてやりたかったけど、こらえた。

その日は教室で、皆で励ましあって涙をこらえながら寝た。


この生活が始まって3日。女子にはあまり暴力を振るうことは無い。でも、お気に入りじゃない女子には暴力もある。私も何度が経験済みだ。

「何故この程度の事が出来ない!」

私を怒鳴り、突き飛ばす。そして、汚いものを触ったかのように手を払った。私が小学生の時、菌と呼ばれいじめられていたのを知った途端、この扱いになった。

部屋を出た後、トイレに駆け込む。鍵を閉め、声を押し殺して泣いた。こんな風に泣いたのは、いじめられ始めた時以来だ。
もう克服したと思ってたのに。何を言われても気にしないようにしてたのに。またこうやってされると泣いてしまっている。悔しい、腹が立つ。あいつにも腹が立つし、あいつに何も言えない私にも腹が立つ。
こんなとき、なんだかんだ言ってお母さんは、話を聞いてくれた。助けてくれた。そういえば、最後に会った時は火曜日だったな。今日はカレーにするから買い食いするなと言っていた。そして、金曜日は妹の誕生日だから誕生日会を開こうと……

「もう嫌だ……誰か助けて……」

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