ケータイ小説 野いちご

神の世界へやって来たなら!?

窓から外に叫ぶ胡桃。


外のベンチで喋っていた後輩の女の子たちが「うわっ!?」と悲鳴をあげた。



ビックリしているだろうその子たちに心の中で謝っておく。ごめん。私の友人は、今日なんかおかしいの。


グイグイと制服を引っ張って、窓際から引き離そうと試みる。



「胡桃っ!言い過ぎだから。てか私、顔よくないでしょ?ヒサンだから。みんな私の目を見て喋りしてくれないから」 



「はぁ、でた無意識」



「えっ?」



「夏樹の悪いところって鈍感なところと天然なところとたまにドアホなとこだけよね」 



「ド、ドアホって」



「だー!理不尽だ!この世は理不尽の極みだ!やってられっか!」




突然オッサン化した胡桃が髪をグシャグシャにする。


さっき潰したイチゴジュースのストローをくわえて、「もう空っぽ!?なんで!?」と喚く。



「夏樹!私の隙をついて飲んだでしょ!」



「いや飲んでないよ!忍者じゃないんだから!」


「夏樹ならそのくらいやってのけそうでしょ!あーあ!今月お小遣いピンチなのに」


未練がましく、ストローを吸う胡桃。空のパックはズズズ、と虚しい音をあげる。



「・・・将来私が困ったらお金を差し伸べてね」




「うん。お金じゃなくて手を差し伸べてあげるよ」



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