「つかさちゃんつかさちゃん!
私達、同じクラスだよっ!」


昇降口に張り出されたクラス表の前。

隣に立つ親友の水内 乃亜(みずうち のあ)が、あたしの腕を揺すりながら興奮気味に名前が書かれているところを指している。


桜舞う4月。

今日から、新学年。


乃亜が指差す方に視線を向ければ、《水内 乃亜》と書かれている数行上に、《日吉 つかさ》の文字を見つけて。

「あ、ほんとだ!」

あたしも思わず、弾んだ声を上げた。


「嬉しいなぁ、つかさちゃんとまた同じクラスなんて。
中学1年生のときから、ずうっと一緒だねっ!」


あたしより頭一個分ほど小さい乃亜が、こちらを見上げてにこーっと笑った。


……なに、この可愛い生き物っ!


相も変わらず、新学期早々ズッキュンと心臓を射抜かれるあたし。


あたしは、この天使につくづく弱い。