*夏音side*

元カレに遭遇し、冴木君に助けてもらった翌日。

私は開店準備を一人で実戦しようと少し早めに出勤していた。

厨房の方から、規則正しく軽快な包丁の音が聞こえてくる。

―トントントン…トントントン―

着替える前に厨房に居る藤枝さん達に挨拶しようと顔を覗かせた。