*夏音side*

車に乗り込みエンジンをかけると、面接地であるカフェに向かおうと車を発進させた。

車で10分と言ったらかなり近い。
近くて良いけど心の準備を早く終わらせなきゃいけない。

車中で音楽を聴くにも2曲聴ければ良い方だ。

そんな事を考えていると、カフェが見えてきて…軽かった動悸が勢いを増してきた。

―まだ引き返せる。逃げろ。

頭の中の弱い私が不意に悪魔の囁きを溢す。