あっ、雪…。どおりで寒い訳だ。


朝の情報番組でやっていた天気予報は当たっていて、マフラーに顔を埋めながら駅前の売店で買ったココアを一口喉に流し込む。


あの日もこんな風に雪が降っていた。


彼と別れたあの日、


『…ユキと別れたい』


『ユキの考えてることがわからないっ…』


『さよなら、ユキ』


いつも無表情で感情を表に出してくれないユキにわたしの心はもう限界だった。


そして、どうしようもなく好きだったユキに別れを告げた日もこんな風にシンシンと雪が降っていた。