ケータイ小説 野いちご

まるでキャラメルのように

キャラメル



「お疲れさまでした」

仕事を終えると、急ぎ足で駅へ向かい、一人暮らしのマンションへ帰る。

別に用事があるわけではない。

人付き合いが苦手なのだ。

小学生の頃、転校先で自己紹介をする事になり、なにも言えなくなってしまった。

みんなの視線が怖かった。

授業が終わったら、急ぎ足で教室を出て、真っ直ぐ家に帰る。誰からも声をかけられないように。

それは私に逃げているというような罪悪感をもたらしていた。うまく生きられない。

今日もいつもと変わらない一日だった。


目覚ましが鳴って、満員電車に身を委ね、会社に着き、パソコンと向き合う。

お昼は公園のベンチで、コンビニのおにぎりとお茶。胸につっかえている僅かな物足りなさをお茶で流し込む。

定時で仕事を終え、家に帰ってお風呂に入り、夕飯は冷蔵庫にあるものを適当に。料理は好きだけど、自分のため、と思うと、じゃがいもの皮でさえ剥くのが面倒になる。

そんな私を待つのは温もりのないベッド。




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