その日、あゆみが丘学園は大騒ぎだった。





「聞いたか!桃山女学院の制服コンテスト!」

「知ってる、知ってる!ミス・桃山女学院にフラれた蛇の目の幹部で元カレが、復讐しようとした奴だろう!?」

「俺、昨日、見に行ったんだけど、マジエロかったぜ~!」

「ありゃあ、セクシーコンテストだったよなぁ~!?」





スケベな顔をして話すクラスの男子に、顔に出さないように、心の中でうんざりする。

聞えてくる会話からわかったこと。





「まさか、ミス・桃山女学院の美少女が、美男子だったとはなぁ~!」





ますみちゃんの素性が、他校にばれてしまったこと。





「だからって、無関係のモデルの女子を巻き込むかぁ~!?俺ら的には美味しいけどさ~」

「それがさ、ミス・プリンセスに負けた先輩後輩が共犯らしくて、水をかけたらとける制服と知ってて、被害者の振りしようとしたらしいぞ!」

「マジかよ!?こえぇ~!憎い相手を恥かかせるためなら、自分も恥かいていいってか~!?」

「共犯者作りもエゲツナイぜ?自分の親よりも立場が弱い親を持つ生徒を狙って、無理やり協力させたんだってよ!」





(いじめをやってお前らが言えることか。)





それはさておき、実際天罰は下っていた。

ますみちゃんを罠にかけようとした悪女達の悪行は、噂として町中にバレていた。

昨日の事件に関係なく、桃山女学院は予定通り今日から夏休みになっていた。

しかし、学校側から保護者への説明会が本日行われること。

悪質な犯罪に関わった生徒達の一部を、退学処分にするという噂。