ますみちゃんとデートした日、こっそり買ったカンナさんへのプレゼントは渡せた。

ルンルン気分で帰宅する。

『凛道蓮』から『菅原凛』に戻る場所へ。

ヤマトが住む幽霊マンションへと帰ってきた。






「たっだいまぁ~」

「お帰り、凛!」

「はい!帰りました~瑞希おにい・・・・」



ん?



「瑞希お兄ちゃん?」





ヤマトの家に、瑞希お兄ちゃんがいた。





「えええええええ!?なんでっ!!?」

「凛がデンワもメールも返さねぇからだよ!」



〔★瑞希の出迎え、凛はビビッている★〕




「ヤ、ヤマトは!?」

「おう、ヤボ用だって出掛けたぞ?」

「それじゃあ~」

「そうだ。俺と凛の2人だけだ。」




二人だけ!?

つまり、瑞希お兄ちゃんと2人っきり!?


(グッジョブ!!)



気を利かせてくれたのね~♪


心の中でヤマトの頭をなで、イソイソと彼の近くに駆け寄る。

これに瑞希お兄ちゃんは、目を細めながら聞いてきた。




「凛、最近・・・五十嵐の家によく来るのか?」

「え!?え、ええ・・・」

「そっか・・・来るのか・・・」

「あの、なにか・・・?」

「いや、その・・・あんまり、凛にはここに来てほしくないって言うか・・・」

「え?」

「俺もあんまりいないけど、凛の部屋も作っただろう?あれ・・・気に入らなかったか?」

「まさか!一生暮らしたいぐらいです!」

「じゃあ、なんで五十嵐ヤマトの部屋に凛の部屋があるんだ?」

「・・・・え?」




その言葉で、口から心臓が飛び出すぐらいドキッとする。




「ど・・・どうして・・・?」

「五十嵐が、自慢そうに言うからな。凛・・・お前、こんな感じで、あちこちに、自分の部屋を持ってるのか?」

「誤解です!僕が使ってるのは、瑞希お兄ちゃんとヤマトだけで~」

「とか言いつつ、浮気してんじゃねぇか?」

「浮気!?」

「俺が用意した部屋があるのに、なんで新しく五十嵐の家に部屋を作るんだよ?」

「それは・・・」

「俺からしたら、浮気された気分だぞ?」

「ち、違います!」




浮気なんてー・・・!



「決して、浮気などしてません!!」



しかたなかったのに!

ロッカーもあるけど、いろいろ考えれば、ヤマトの部屋を借りることは私にとって都合が良いことだった。




〔★防犯面では、どっちもどっちだ★〕