「……待って。これ私1人でどうやって歩くの? どうやって風船とかティッシュ手渡すの?」



「どうにかしろ」



「ちょっと!」




まさか本当に放置されるとは。



千紘や他の人は違うエリアで活動しているから、助けを求めることはできない。



よりによってどうして私の補佐役が匠なんだ……。



両手に持たされた風船をとりあえずどうにかしないと。


一箱ぶんのティッシュ配りもしなきゃだし。




「匠のバーカ!」



高校生らしかぬ捨て台詞を吐いて私はとぼとぼとゆっくり歩き出した。


なんか言わないと気が済まなかったんだもん。


暑さと匠のせいでイライラして変に体力消耗してしまいそう。