それは、突然だった。



「お父さんはニューヨークに海外転勤になっちゃってね〜」

「お母さん、お父さんのこと心配だからついていくことにしたの〜!ね〜お父さん♡」

「そういう訳だから莉子は学校があるしこっちで暮らすだろ?」



…この鬱陶しいぐらいにラブラブな2人をどうにかしてください!!
どうしてあたしが1人で日本に残らなきゃいけないの!?



「あたしもニューヨークに行くよ!」

「ダメよ〜せっかく作ったお友達は大切にしないとよ?」

「そうだよ。それに、莉子はまだ日本のことを学ぶべきだ!」



…どうしてこうなるの?

結局、あたしが何を言っても否定の嵐。
あたしは仕方なく折れた。

2人がどうしてここまで否定するのかはなんとなくわかる。
海外旅行気分で2人だけで行きたいのが本音だろう。

もう、娘のことは後回しなんて酷い両親だ…
でも、あたしはこんなこと慣れていた。
今更反抗しても意味ない。