昨夜、課長に謝られてしまいました。

私がメロンを嫌いだと、どうやら勘違いをしたようです。



「大好きだけど」


モグモグと噛んで、朝から贅沢な気分を味わう。

レモンイエロー色のメロンはあっという間に食べきってしまった。

今朝からは果肉がオレンジ色のを食べている。



「こっちも美味しい♡」


こんな事ならもう1種類も冷やしておけば良かった。
今更後悔しても遅いと言えば遅いけれど。




「叔父さん達メロン食べたかなぁ」


一昨日持っていった先のことを考える。

私が育った家。
つまり、実家と言えば実家。



(叔父さん家だけどね)


ははっ…と冷めた笑いしか出てこない。
あそこで私はとんでも無い目にあった。


思い出したくもない叔父の家での出来事。

その元凶に昨夜ばったり出くわした。




『藍ちゃん』


声を聞いてゾクッと寒気が走った。
まさか家に帰っているなんてちっとも知らなかった。



『久しぶり。今どこに住んでんの?』


善人ヅラしていたのは従兄弟の泰明(やすあき)。

中学の頃から一緒に住んでいた私は、3歳年上の彼が嫌い。


泰明のフルネームは白鳥泰明(しらとり やすあき)。

父の兄夫婦の長男で、下に美幸(みゆき)という妹がいます。


そもそも、どうして私が叔父の家での暮らすことになったのか。

先ずはそっちを説明しないといけませんね。