「……ん、」


……天井。

見慣れた茶色のシミがない。

いつもの場所と、ちがう場所……


「 美空?」


……あ、一樹。


……それと……


視線をずらすと、たくさんの知らない顔が並んでいた。


……ここが、現実?


ゆっくり体を起こすと、それまで静かだった室内がザワついた。

薬品のにおいと、甘くて香ばしい、いろんなにおいの混じる部屋……


「 美空、大丈夫ですか?」


一樹があたしの顔をのぞき込む。


「…………」


あたしは自分の体を確かめる。


……っ!

驚いた、こんなに白い肌……

ボコボコの傷跡も、変形していた所も、全部治ってる。