「…で?やっと念願の両想いになったってのに、なんでそんな暗い顔なのよ?」
「んー…だって…。」
朝、SHR前。
桃華の問いかけに、私はセーターに顔を埋める。
文化祭は無事に終わって、私と雪弥は両想いになれた。
なれたん、だけど、ね…。
「雪弥の態度が、変わらないから……」
そう。
やっと!両想いになれたっていうのに!
挨拶は返してくれるようになったよ?
でも、必要以上の接触はナシ…って、そんなヒドイ話、ある?
私は、雪弥ともっと話したい。
その、で、デート……とかだって、したいし。
ていうかそれより前にちゃんと彼氏彼女になりたい。
贅沢かよ!って、そんなことわかってる。
両想いになれたってだけで幸せなことだって、ちゃんと感じてるよ。
だけど、やっぱり欲深くなっちゃうんだからしょうがない。
「やっぱり、過去の清算かなぁ……」