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水曜日の3限、数学が始まる前の休み時間、私は机にへばりついていた。



「あー憂鬱……」


「花、どしたの？」


「テストまであと1週間……」



絶望的な顔をする私を見て、芹ちゃんがやる気十分に拳を握った。



「花！ テストなんて、勉強すればいい点取れるんだから頑張ろうよ！」


「うん、でも芹ちゃん。テストの心配よりもね」


「あー……竜門くんね」


「ひぇっ！？」


「おはな、バレバレなこと自覚しな」



あの日、竜門くんと前後の席になってから約3週間経った。


相変わらず私はいじられっぱなしのワンちゃんで、彼もまた相変わらずの意地悪な御曹司っぷりである。


あの日感じた恋心は今も変わらず竜門くんへ寄せられている。


たまーに手の甲で口を隠して照れたような反応をするから、私のこと少しは好いてくれているかなぁと思ったりはする。


だけど、そういう時に限って意地悪や上から目線の口調がキツかったりするからもう全然わからないのだ。



「テスト終わったら、竜門くんと席離れちゃうかも……」



あの日より随分と仲良くなれたし、連絡先の交換や勉強を一緒にすることはあるから、友人として今後も仲良くすることは可能だろう。