「マオさま!大変です!」



自室にて読書に耽っていた。
エマは側に控え、俺が無理やり渡した本を読んでいる。

アドルフの声にエマは慌てて本を座っていた本に置き立ち上がり控えた。



「騒がしい。何事だ」

「人間が兵をあげこちらに向かっています!」

「―――なに」




人間が魔族の地に責めてくるのは俺が知る限りではない。
―――――俺が、知る限りでは。




「安全なところへお隠れください」

「なにを言う。魔王たるもの逃げも隠れもせん!俺自ら迎え撃つ!」

「なにをおっしゃってるんですか!そんなこと許可できません!」

「俺がそうすると言ってるんだ」

「許可できません!」



きつくもう一度繰り返された。
アドルフめ、俺が反抗しないと思って強気にでおって。



「・・・わかった」

「ありがとうございます。では、エマあなたが案内しなさい」

「はい。アドルフさま」