ここは原宿・竹下通り。風変わりな装いをした若者の集うこの場所をぶらつくことは、私にとって日常だった。日常でいて、どこか非日常な気分になれた。
黒川 鈴(りん)、14歳。中学2年。
私は昔から、人と同じことをするのが嫌いだった。そして多分この先もずっとそれは変わらないだろう。
真っ黒なセーラー服は、今日から真っ白のセーラーワンピースになった。衣替えしたせいだ。
……黒い方が可愛いのに。
せめてもの反抗で、黒いフード付きパーカーを上から羽織っている。
身長148cmの私だけど、あえて大きめのサイズを選び、それをゆるく着るのを好む。
指定外のものだから、当然学校では注意を受けたが、かまうものか。
「ちょっとキミ」