テストが終わって1週間、あたしは約束通りヒナタにお弁当を作った。


朝起きるのは辛いし、料理も特別できるわけじゃないからそれはそれは苦戦した。


目の前にある、少し形の歪な卵焼きを口に放り込むと甘さが口に広がった。



「はあ〜!やっと1週間終わった!」

「櫻井先輩のお弁当作りもこれで終わりか…」


やっと解放されウキウキしているあたしに並び、何故か悲しげな美樹。

なんでよ、もっと喜びなよ!

だってあの大魔王から逃れることができたんだよ?

もっと盛大に祝してもいいと思うんだけど。



「でも、華乃にしてはこの1週間 本気でお弁当作ってたよね。おかずとかも毎日違ったし」

「ヒナタに文句をつけられたくないからね。その一心だったよ」


だけど、初日には文句どころか“うまかった”というメッセージが届いていてとても驚いた。

それはもう悪寒がするほどに。