すっかり梅雨入りの時期となり、ジメジメとした季節がやって来た。
日によって雨は姿を変え、私に吹き付けた。
穏やかな雨
しとしと
激しい雨
ざあざあ
今日はざあざあと雨は容赦なく降る。
グショグショになりかけた靴に湿った鞄。
私はこの季節が嫌いだった。
 ̄ ̄ ̄
鬱陶しくて濡れて汗もへばりつくから。
今、私がいるのは雨宿りに立ち寄ったカフェ。
そして、同じテーブル目の前に据わるのは同じ部活の先輩。
それも先月、私をフッた男である。
ヤマノ
「山野さん、受験生なのにこんなところにいて良いんですか?」
今は県体が終わって始まったテスト期間。
そして明日が最終日。
それなのに彼はコーヒーを飲みながら本を読んでいる。