今日は終業式だった。

もうすっかり夏である。

またあの夏期集中練習が来ると思うと暑さに倒れそうだ。


「暑いー。」


「言うな。余計に暑い。」


パタパタと手で仰ぎながら言った私に汗を頬に伝わせながらスポーツドリンクを飲む励が言った。

今日は部活がoffとなっていた。


「いやね?今日、雨でしょ?風が遮られる上に湿気がじめじめ、蒸される。」


私たちは雨が土砂降りの中、帰る気にもなれずマシになるのを待っていた。

  タクト
「拓斗ー、じゃなくてたくぽーん。」


「いや、呼び直さなくて良いから。」


すかさず突っ込むのは我らが花野橋弓道部の部長。

クスカワ
楠川 拓斗だ。