───カランコロン


「いらっしゃい。」


入れ違いにカフェへ来客があった。

店長は彼の顔を見て不思議そうに言う。


「おや、彼女さんならついさっき帰りましたよ?」


彼は店内を見回していた顔を向ける。

そう、何かを探していたような行動をしていたその顔は。

無表情なりにもはっきりと驚きがあって、そんな自分に動揺した顔だった。


「………すみません。今日は帰ります。」


青色の傘を広げ彼はカフェを後にした。