最後の記憶は車に轢かれそうになっていた少女を助けて代わりに轢かれた。
血溜まりのなか服が汚れるのも構わず俺の上半身を揺らし意識を保たそうとしているが耳と目もおかしくなり音も景色もぼやけていく…
「あぁ起きました?」
…状況が理解できない
「状況が理解できないようですね…ん~人間に分かりやすく説明すると…ここは死後の世界です。」
「死後の世界か…あんたも死んでここに居るのか?」
「あんたとは失礼ですね…そういえば名乗っていませんでした。私はこの死後の世界の管理者でもあり死と生を司る神『エレウシス』エレンで良いですよ」
「わかったエレン。で?俺はこれからどうなるんだ?」
自分で言ったニックネームを呼ばれて嬉しかったのか照れくさそうに頬を掻く
「えへへ…自分で呼んで欲しいって言ったのに…なんだか照れるな…」
俺はもう死んだのか…妹はどうしてるかな
「妹さんですね。」
「勝手に心を読まないでくれ…まあいい。茜っていってな可愛い奴だったよあいつは」
「確かに溺愛してましたもんね~…」
「おい、神サマってのはそんなプライベートなことまで見てるのか?」
慌てた東を見たエレンはクスクスと笑いながら
「大丈夫です。私は少し暇なだけで他の神は忙しくてそんなの見れませんから…でも勿体無いですよね~こんなに面白いのに」
笑われた東はふて腐れながらも茜のことが気になり黙りこんでしまう
「…気になりますか?妹さんのことが」
「…まあな。自立できてればいいんだけど」
「実はもとの世界に戻れる方法がひとつだけあります」