「じゃあ失礼します」




仕事を早めに切り上げて病院を出た




朝、咲熱っぽかったから




何もないといいけど…





少し急ぎめで車を走らせる




家に着いた時間は5時





「ただいま」



返事なし…


寝てるのか?





リビングにはいるとすやすや眠る彩花と、ソファに座ってぐったりとしている咲




寝てる…か。



冷えピタが貼ってあるから相当キツかったんだろうな





咲を抱えてベッドに寝かせる




汗を拭いてから体温計をはさむ





「38.9℃……」



こんな高熱の中、咲1人に家事と咲の世話を任せたのが申し訳なく感じる





「咲。さーき」




もごもごと動いて少し目を開けた咲




「大丈夫?」




声をかけると険しい顔をしてからうつ伏せになった咲



最近の咲は心臓の発作を隠そうとする




「咲、痛い?」



「……たくない」




「顔見せて」


「やだ…」




「咲」




少しすると仰向けになって俺の服を掴んだ




呼吸もかなり乱れてるし心臓あたりの服を掴んでる




「やっぱり痛いんでしょ?薬飲も」




「ハァハァ…ハァ」




俺の服をつかむ咲の手を離してリビングに薬と水を取りに行った