AM9:00
僕は目を覚ました。
チュンチュンと鳴く何処ぞの雀がの鳴き声が、薄暗いマイルームに微かに響いている。
寝起きの僕は、ぼんやりとした頭を懸命に起こして、一息ついた。
また、同じ夢。
何度も何度も、というか毎日見ている。自分の名前や歳、そして自分が人間なのかさえ、曖昧になっ
てしまう自分を見るという、何とも気が滅入ってしまう内容な訳で。人には話せず、緩く抱えてもう、10年だ。爺さん婆さんには分からないと思うけど、10年ってすっごい長い。頭悪いからよく数えないのだけど、地球は10年のうちに、3650回まわっていることになるんだよ。それって凄いよね。その夢を見だして、3年ぐらいは怖くて仕方なくって、寝るのが億劫だったけど、やはり人間は慣れだ。僕、13歳、now な訳だけど、今頃はああ、僕って人だよなー みたいな 、適当感溢れる自己確認が行われてるだけだ。
ふと、自身が置いている地位やら、場所とかを思い出す。
あ。
瞬間、頭の中で警報が鳴り響いた。

そういや、僕
from日本の中学生だったー!!!!!










気づくの遅くない?とかいう、鋭利なナイフを投げつけるのは、勘弁だから!












学校に着くと、丁度1時間目が終わるチャイムが甲高く鳴り響き、鳥が数羽、電線から叩き落とされていた。哀れだね、クソ雀。
締め切られた学校の背の低い門を、必死によじ登って、学校に侵入する。僕は運動音痴なので、こういったアクションは大の苦手なんだけれど、門を越えるのは、なんかもう下手すると、数えられない程経験してるので、玄人並みだ。…自慢にはならないんだけどね。
靴箱は涼しく且つ、土と足臭い。学生とサラリーマンはどうガンバっても、足は花の香りになんてならないわけだから、仕方ないが、こう、開き直られると、急ぐ身としてはイラっと来なくもない。今の季節は夏なので、遠くからはアブラゼミの羽音が五月蝿い。Wパンチって結構辛いよね。
靴を履き替え、階段駆け上がり、自分の教室まで行く。覗き込むと、一時間目は英語だったらしく、黒板には、消されかけているアルファベットが僕をひたすら見つめている。
「白夜、お前また遅刻かよ。全く懲りねえ奴だな」
僕が不躾に見てくるアルファベットの野郎を睨みつけていると、背後から聞き慣れた声がした。僕はちょっとブスくれた顔を声のした方へと顔を向ける。
案の定、憎たらしい友の顔がそこにあった訳で。
「はっ!そっちこそ、そろそろ規則の5つや6つ、守ったらどうなのよ」と返してやった。
そしたら、長い黒髪を束ねている、制服を思いっきり着崩した少年は笑った。
「違いねぇ」と、
笑い続けているこの少年は黒宮海暗という僕の同級生にして、テストの点数争い(低レベル)のライバルであり、問題児仲間であり、唯一無二の親友だ。
二人共、馬鹿だし、色々規則とか時間とかに疎いし、雰囲気が似ている為、出会いが、よく有る少女漫画のパン咥えて走ってたら、角でどかん! とか、バスで痴漢にあって助けてもらったー 並に運命的で衝撃的だった。
あと、僕らはそれぞれ何かとぼっちで活動系だった為、出会ってもう2年目だが、未だに二人ぼっちでつるんでいる。 いや、できないよ、友達。つーかどうやったら仲良くなれるんだろう、と、毎日海暗と頭んを抱える毎日を送っている。