「あ、朔夜、私ちょっとさっきの授業で聞きたいことあるからちょっと行ってきますね?」


風邪も治り、やっと唯雅咲に来れた祭莉。授業が終わり、ガヤガヤとした廊下で朔夜と二人、ベンチで休んでいた。


「ん、それなら俺も行く。それに、敬語だかタメだかわからないしゃべり方するな。」


パックのりんごジュースを、飲んでいた朔夜がパックを潰して畳みながら言う。



「いいよ!一人でも大丈夫だよ。人もいるし先生、叶夢さんだから。敬語は⋯頑張ってみます!」



祭莉が申し訳なさそうに言う。



「人もいるしって⋯一番危ないのはその『人』なんだけど⋯」