ケータイ小説 野いちご

クールな先輩への溺愛宣言!!

冬野千歳
僕と先輩


和side



先輩と付き合い始めてから早くも1週間が経とうとしていた。


今では昼休みは毎日先輩といる。


放課後も、先輩の教室まで迎えに行ってから一緒に部活へ行くようになった。


だけど、先輩と一緒に廊下を歩けば、いたるところからコソコソと話し声が聞こえるようになった。



「この間まで高梨先輩と付き合っていたのにもう乗り換えたのか」



「高梨もタラシだけど、彼女も彼女だよな。マジ無いわ」



中には「尻軽女」なんて酷い言葉を使って、先輩を非難した。



僕はそんなことを言う人達に腹が立った。


先輩はそんな人じゃない、と。


それと同時に、凄く不安になった。


言われている先輩は大丈夫なのかと。


だけど、先輩の表情は穏やかだった。


まるで周りの言葉なんか気にしていない、耳にフィルターでもしていて聞こえていないような。


だから、僕はあえて聞かなかったし、周りの言葉に文句も言わなかった。



だけど一言だけ言った。



「先輩、僕にだけは素直になって下さい」



「ふふっ、君って本当に優しいのね」


先輩は少しだけ驚いていたけど、ふっと笑って素直に頷いてくれた。



僕達は周りの声なんて気にしない。



しかしながら、一つ気になることがある。



貼り紙の件についてだ。


先輩が高梨先輩に襲われた次の日に、掲示板に1枚の紙が貼りだされていた。


「高梨恭は彼女の伊吹千尋の容姿が良いから付き合っていた!!
美人だからそばに置いてた、とのこと!!」


あの時の高梨先輩の言ったことがそのまま書かれていたそうだ。


その話を僕は後になってから真司から聞いた。



大会前だと言うのに、弓道部に顔を出さなくなったのはそのせいなのだと、その時納得した。


単に先輩がいるからなのかもしれないけど。




・・・つまり、あの場に僕と先輩2人の他に、誰かが居たという事になる。



一体誰が?


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