あれから、私と莉子は一時間目の授業が終わったのをメドに教室に戻った

教室では移動教室なのか、皆が移動していた

「…ああ、次って移動教室だっけ?」

「そうみたい。アタシ達も準備して行こう響」

「うん」

移動中は他愛ない会話をしながら目的の教室に向かっていると、前を歩く男子生徒達の会話が聞こえた

「…なぁ、あの噂って本当かな?」

「噂って?」

「ほら、“天空龍神”に居た“紅蓮”が姿を消したって話で…」

男子生徒達の話に私は視線を窓に向けて無視しようとしたが、次の男子生徒達の話に耳を疑った

「それでさ、あとを追うように“天空龍神”も消えたらしいってよ」

私はその言葉にピタリと足が止まった

……“天空龍神”が…あとを追うように消えた?

あの日を境にそれらしい情報は一切耳にしないようにしていた

天空龍神の皆の話を聞くと、どうしようもなく会いたくなるからだ

でも、まさか天空龍神も姿を消しただなんて思いもしなかった

「…響?どうしたの??」

「えっ?…ううん、なんでもない」

「本当に?」

「うん。ちょっとお腹空いたなぁって思ってただけだよ」

「えー?まだ二時間目だよー?;;」

「アハハ…うん。あとでお菓子食べようかな」