圭に着いて行くと、二階の部屋へと辿り着いた
ここまで来るのに二人して無言でいたが、フと圭が振り向いた
「…響」
「何?」
「逃げんなよ」
フードを外した圭は、私に向かって微笑しながら言った
けれど、ここまで来たら逃げれない私は「今更じゃん?」と答えて肩を竦めた
それをみた圭は部屋の扉を開けて中に入った
「あっ!圭!!」
「おかえり。圭」
「うぉーい!俺との勝負ほったらかしてどこ行ってたんだよテメェは!!」
圭が部屋に入ると一気に賑やかになる中に、私はまた“彼ら”を重ねてしまった
『響ー!遅かったなー』
『何?今日もどっかとやり合ったのか?』
『…黙れよ、お前ら;;』
なんだか雰囲気が懐かしく思う反面、それを壊した後ろめたさが私の心を支配する
…んー、辛い…;;
けれど、今は早く用事を終わらして帰りたい私は部屋の中へと足を踏み入れた
中には、圭を除く四人が居た
「…ん?誰、その女」
「わー、圭が女連れ込んだー!」
「っテメェら、一旦黙れよ」
「「…はい…」」
圭の睨みに彼らは素直に黙る
「……紹介する。コイツは響で俺が惚れた女だ」
「ちょっと、その紹介は止めてくんない?」
「事実だろ」
悪気はない感じで圭はケロッとしているが、そんな圭に溜め息が出てしまう
「んで、コイツらは…」
「ハイハイ!俺はね~、新坂 歩って言います!歩って呼んでいいよ~」
「は、はぁ…;;」
茶髪のウェーブのかかった頭をした男の子、新坂 歩(ニイサカ アユム)は圭の言葉を遮ってニコニコと笑って自己紹介をした
「次は俺だな!浅井 悠大だ。宜しくな!」
「僕は日阪 怜と言いますぅ。ヨロシュウ」
「…俺は、東城 淳だ」
次に自己紹介してきたのは、金髪の編み込みをしている如何にも馬鹿そうな頭をしている浅井 悠大(アサイ ユウダイ)
その後に紹介して来たのは、どこか違和感のある京都弁を話す少し長い黒髪をしたチャラそうな人、日阪 怜(ヒサカ レイ)
最後に自己紹介した人、東城 淳(トウジョウ アツシ)は肌は黒くて背が一番高い如何にもワイルド系な人だった
けれど、淳の私に向ける視線は警戒心の目で歓迎されていない事が肌に感じられた