……あれから一週間。圭は毎日のように正門で待ち伏せをしている
そのたびに私は圭の居る反対側から誰にも見られないように学校から出ているのだが
そもそも、何故”誰にも見られないようにするか“というのは私が少しだけお転婆な事をするからだ
フェンスがあれば登って飛び降りる
裏門では胸までの高さの門を飛び越える
等々、見られたらいけない事をしているからだ
「…はぁ…疲れる;;」
「もう、響ったら!なんで逃げちゃうの!?」
「嫌だから逃げる」
今はお昼休みで莉子と中庭でご飯を食べている
ここ一週間、莉子とはまともに帰っていない
莉子と一緒に帰ろうとすれば、もれなく青木と圭がセットで付くからなのだが
どうして青木は圭を連れてくるのだろう?
いや、そう言えば莉子が青木に聞いた話では自らの意志で私に会いに来ていると言っていた
…それはそれで、大変困っている;;
だが、一番の困り手は莉子かもしれない
何せ莉子は私と圭を引っ付けようと無理矢理会わそうとするからだ
昨日なんて、無理矢理腕を引っ張って圭の所に連れて行こうとして大変だった
「もー、響はどうしてそこまでして逃げるの?」
「……逆に莉子はどうしてそこまでして会わそうとするの?;;」
「だって深窪君、響に会えないってだけでめっちゃ寂しい顔するんだもん。可哀想で見てらんない」
莉子は頬を膨らませて「ほら、ラインでも!」と携帯を私に見せて来た
……君達はいつからそんなに仲良しさんになったのかな?;;
内容はさて置き、彼氏の居る莉子と圭がラインで会話しているのはどうなんだろうと私は思った
「…莉子さん?青木は大丈夫なの??」
「ん?」
「いや、他の男とラインで親しくなって大丈夫なのかなーと;;」
「大丈夫もなにも、青木君公認のラインを交換だもん」
「……まじか…;;」