────……夕方。


会議が終わったと言ってなっちゃんがマスタールームに戻ってきた。


さっきとは打って変わって、和やかムードのあたしたちを見て驚いていたけれど、ふと思い出したように顔を引き締める。



「さっき言い忘れたことなんだけどな」



言い忘れたこと?


あたしが首を傾げると、なっちゃんはうなずいて腕を組んだ。



「基本的にガーディアンのスターを狙うのはご法度だってさっき言ったが、それにはひとつ例外があるんだよ」


「例外、ですか?」


「ああ。これはお前らにとって、朗報か訃報かはわからないが……」



なっちゃんはそこで一度言葉を切り、めずらしく渋い顔をした。



「1VS1……いわゆる怠慢勝負は可能なんだよ。無論、双方が合意した場合に限るから、お前らが合意しなけりゃなんの問題もないんだが」


「おい待て。なんだその楽しそーな話は。詳しく聞かせろよ」


「僕も聞きたいな~それ。面白いことは好きなんだよねぇ」



今まで興味なさそうだったのに途端に恭也と柚くんが食いついた。


なっちゃんはそんなふたりに呆れたようにため息をつきながら、鞄から大きな模範紙を取り出した。


それを大きく広げて、どこからか持ってきたホワイトボードへと貼り付ける。


どうやら学園エリアの全体地図らしい。