あれから2週間後。 「いってきます」 「「いってらっしゃーい!」」 「伊紅、先行かないでよ」 「ごめんごめん、伊澄」 ご近所さんの桜が茶色くなってくる季節。 大好きな家族、花ちゃんと伊月に見送られ(お父さんはお仕事)、学校へ通い始めた私。 でも今日は休日。 私と伊澄が向かったのは、病院。 何度も行って慣れてしまった私は、 迷うことなくその部屋へ。 コンコン。 「はーい」 聞き慣れた声。 「夏」