時は戻って現在。



「累………」

「なに?」


隣りに座る累に聞く。


「桃と冬弥は、学校行けてる?」

「……行けてる。あのあと、俺、普通の進学校に転校したんだ。」


「えっ。すごいね、累」

「……まあ、それで、桃と冬弥も頑張って勉強して受かったんだ。」


なんだ、普通に過ごせてるじゃないか。


「でも」


「あの二人、高校に入ってからも、夜な夜なケンカに行ってる。

……俺も。

やっぱり、変われないんだよ。
暴力的な衝動だけは。」


「……………」


やっぱり、そういうものなんだろうか。

ふとした拍子に、私はまた、やってしまうのだろうか。



「累っ、あの「何してんの?」


誰もいないはずの夜の公園に、知ったはずの声がする。




「おまえ、誰だよ」





「…………夏葉」