最後に村を出てきた他の一族によれば、最終的に村に残った人達は20人程らしく、老人や中年の大人が殆ど。

8月17日から、村の中で黒い人影を見る者が増えた。

その人影は赤く濁った様な瞳で、奇声を上げながら不規則な動きで追いかけてくる。

それを見た者は、次々と精神を病んでしまったという。

精神を病んだ数日後には自殺、奇声を上げながら障芽池の森へ走って行ったり、家族に噛みついて、肉を食い千切ろうとする異常な行動が見られたそうだ。

それを見かねた人が村を出ようとすると、服を脱いだ大勢の村人が車の上に乗っかってきたらしい。

精神を病んだ人達の中でも数日もち堪えた者は、決まって全裸で村の中を夜中に集団で徘徊し、家の中に人を見つけては奇声を上げて飛び掛かり、人を何処かへ連れ去っていくそうだ。